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おのののかさん 頂点目指す選手と応援団 売り子時代に体感 すごい!ドームの「熱さ」

早実vs駒苫の戦い見て野球好きに

 社会人野球の第86回都市対抗野球大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)が18日、東京ドームで開幕し、出場32チームが今年も熱戦を繰り広げる。タレント、おのののかさん(23)は、その東京ドームで「かわいすぎるビールの売り子」と評判になった特別な経験を持つ。また、東京ドームは「グラゼニ」で主人公が所属するチームの本拠地球場として描かれている。都市対抗野球とグラゼニと東京ドーム。「グラゼニの読者です」というおのさんに、野球の魅力を聞いてみた。【聞き手・大村健一/デジタル報道センター】

 ――「グラゼニ」の読者だそうですね。どこに魅力を感じましたか。 

 おのさん 主人公がものすごく自分の年俸を気にしているので、プロ野球選手の年俸のこととか、これまで考えたことがなかったことが分かって楽しいですね。「プロ野球界の裏」みたいなものを知ることができると思います。

 ――現在、グラゼニの主人公、凡田夏之介は東京ドームが本拠地の球団で活躍しています。おのさんもかつて東京ドームの「伝説の売り子」として活躍し、1試合で平均の4倍近い約400杯ものビールを売り上げた実績があるということですが、東京ドームで働き始めたきっかけは?

 おのさん 野球が好きだったんです。中学3年のときに、早稲田実業の斎藤(佑樹)投手(現日本ハム)と駒大苫小牧の田中(将大)投手(現ヤンキース)が投げ合って再試合になった夏の甲子園の決勝をテレビで見て、「すごい」って思ったのが興味を持つきっかけでしたね。高校3年のときは、自分の学校の野球部が夏の地方大会決勝まで勝ち進んだので、応援にも行きましたよ。売り子として働くきっかけは、高校卒業後、友だちが先に東京ドームでアルバイトをしていて、話を聞いて初めて売り子という仕事があることを知りました。プロ野球のことはまだ詳しくなかったけど、野球好きだったのでいろいろと教えてもらって働き始めました。

 ――グラゼニは「グラウンドには銭が埋まっている」の略ですが、おのさんには「ゼニ」をつかんだって瞬間はありましたか。

 おのさん 売り子を始めたばかりのころはあまり売れないし、背中で担ぐビールのサーバーも重いし、プロ野球を近くで見られる感動もなかったですね。でも、お客さんとコミュニケーションがとれるようにプロ野球の勉強をしながら頑張っていったら、だんだんなじんでいき、団体客をつかめたり常連さんができたり……。慣れてくると、観客席を歩きながらお客さんのカップに残った量をチェックして、飲み終わりそうなタイミングを予想して売りに行っていました。タレントを始めたときは、売り子のアルバイトのことは周りに話していなかったんです。でも「売り子もやっていました」と伝えてから、皆さんにも覚えてもらえるようになったので、東京ドームでの売り子時代の努力が今の自分の「セールスポイント」につながったかもしれません。

 ――好きな野球選手は?

 おのさん 巨人の内海哲也投手が好きでしたね。阿部慎之助選手とのバッテリーですごくいいテンポで投げるので、試合が早く終わることが多くて、売り子としては楽でした(笑い)。あと、矢野謙次選手の応援歌はすごく好きだったので、(6月にトレードで巨人から日本ハムに)移籍して聞けなくなってしまったときはショックでした。

 ――同じ東京ドームで開催する都市対抗の観客席で働いたことはありますか。

 おのさん 短い期間でしたけど、ありましたよ。プロの試合は1日1試合ですが、都市対抗は多いときは1日3試合もあって、午前中から夜までやっている。私は3試合通しで働いた経験はないですが、フルで働いた人たちからは「ドームに合宿しているみたいで大変だった」って聞きました(笑い)。

 ――都市対抗の雰囲気はプロ野球と違いましたか。

 おのさん 出場する会社によって観客席の応援が全く違っていて、すごく面白かったです。特にJR東日本(東京都)は車掌さんの格好で応援したり、列車の着ぐるみのようなものがあって、それが汽車みたいに「シュー」って煙を出したり……。「すごい応援だな」と思いました。会社のマスコットの着ぐるみが客席で着替えていて、レジャーシートの下がもぞもぞと動いていたのも楽しかった思い出ですね。

 ――試合の魅力も教えてください。

 おのさん すごく「熱い」ですね。選手の皆さんの技術は本当にすごいし、プロ野球などもっと上を目指している人たちが多いので、見ていてその気持ちがすごく伝わってきました。都市対抗は「負けたら終わり」のトーナメント。私は野球で逆転する場面が特に好きなのですが、都市対抗は最後まで何が起こるか分からないので、見る方も熱が入りますね。

 ――仕事以外で都市対抗を見たことはありますか。

 おのさん 去年、(あるチームの試合を)ちょこっと見に行きました。ドラフト会議が好きなので、都市対抗で「いいな」と思った選手がプロ球団から指名されると、「やっぱりすごかったんだ」って改めて納得しますね。高校野球も毎年、すごい選手がいっぱいいますけど、1軍で活躍するまで時間がかかる場合も多いですよね。社会人出身の選手は即戦力になって活躍することが多いので、すごいなと思います。

 ――グラゼニの夏之介も日本一や大リーグ挑戦などを経て、モーニングの中で成長し続けています。おのさんの今後の目標も教えてください。

 おのさん 高校までバスケットボールをやっていて、スポーツは大好きです。なので、スポーツ番組などの仕事もやれたらいいなって思っています。選手へのインタビューとか、試合のリポーターとか、やってみたいですね。

 ――最後に、都市対抗に出場する32チームに応援メッセージをお願いします。

 おのさん 社会人野球の皆さんの技術はプロに近いけど、プロ野球選手よりもっと身近なイメージがあります。スタンドで応援する皆さんも、ファンとして応援しているというよりも、「仲間」を応援している感じがして、会社の団結力をすごく感じます。東京ドームで、最高のプレーと応援を見せてほしいです。

おの・ののか 1991年12月、東京都出身。高校卒業後に東京ドームでビールの売り子のアルバイトを始め、約3年間働いて、1日400杯を売り上げて売上ナンバー1になった事もある。20歳で芸能界に入り、バラエティー番組や雑誌のグラビアなどで幅広く活躍。6月20日に公開された映画「呪怨(じゅおん)―ザ・ファイナル-」に出演中。